モバイルスタンプラリーばかりを紹介してしまうと、アナログなスタンプラリーが衰退してしまいそうですが、モバイルスタンプラリーにはメリットもデメリットもあります。
私は専門家ではありませんが、モバイルスタンプラリーの利点とそうでない点のお話と、モバイルスタンプラリーのアプリ開発をしている会社をご紹介します。
モバイルスタンプラリーが多くなっているといえど、従来の紙媒体のスタンプラリーの費用がどのくらいかかるのか?というシミュレーションをして、最後にまとめとして、スタンプラリーをもっと活用しようというお話です。
モバイルスタンプラリー
私が考えるとメリット
1.エコである。コストを抑えることができる(規模による)
スタンプラリーの台紙、スタンプ、スタンプ台など
2.モバイルスタンプラリーに参加された方のデータを取得できる
QRコードを読み込んだりして、デジタルスタンプラリーを取得したときに何時何分というデータが残ります。例えば、次の目的地に辿り着く間にどのくらいで行ったのか?
時間がかかっている場合、その間で休憩をとっている、他に興味の対象があったのかもしれないなどのヒントが得られます。
興味の対象が分かれば、説明の看板をつけたり、次のスタンプラリーへの課題になったりもします。
従来のスタンプラリーは、ファンを獲得するためや興味をもってもらうために企画されていましたが、正確なデータが残ることはなかったと思います。
スタンプの台紙や景品の在庫で予測することは出来ても、実際の参加人数や行動分析ができるデータはそれだけでは分からないです。
3.応募するタイプのスタンプラリーの場合、郵送などの手間がない
私が考えるデメリット
1.スマホなどの端末機を持っていないと出来ない
スタンプを読み込む方法がQRコードなどの場合、ガラケーでも可能
2.町歩きイベントなどで使用したい場合、歩きスマホをさせてしまう
3.アプリがうまく起動しないなどの不具合が生じる場合もある
2017 2/23・24 モバイルスタンプラリー体験談は下記。
アニメやコミック、ゲームなどのスタンプラリーは、ユーザーが若者に想定されるものは多いですが、街歩きなどのスタンプラリーでモバイルに需要があるかは微妙なところだと思います。
例.
歴史が好きな女子、歴女をターゲットにした「歴史上の人物のゆかりの地を巡る(架空)」でモバイルスタンプラリーを開催 ターゲット層の20~30代女性は土日・祝日しか参加出来ません。 平日、時間があり参加したい年齢層が50代以降の方々が参加したくてもスマホやタブレットなどの端末機を持っていなかったら出来ません。ガラケー(QRコードを読み込み)で参加可能な場合でも、難しいと思います。 スマホの普及率は高くなったと言われていますが、50代以降の世代は、ガラケー愛用者が多いです。 因みに我が家の50代以降の人は全員ガラケーです。QRコードを読み込みと言われても、何のことだが分からず、操作に戸惑うと思います。と言いますか、QRコードが何かも分からないと思います。 |
全体的な割合で、参加される人の年齢層が高い場合、参加しにくいモバイルスタンプリーよりも、端末機などがなくても出来る紙のスタンプラリーの方がいい場合だってあります。
紙のスタンプラリーは、子供からお年寄りまで楽しめる一方で、モバイルスタンプラリーは、対象者をすごく絞りこんだものです。
主催者が想定しているターゲット層と実際に参加するユーザーの年齢層が合っていないモバイルスタンプラリーが増えているような気がしました。
ですが、実際にやってみないと分からないことなので、こちらがオススメですよ~などはとても言えないです。
これらのことを先にお話しして、モバイルスタンプラリーのサービスを提供している会社について調べてみました。私がみつけられたのは以下の3つです。他にもあるかもしれませんが、気付いたものは追記するようにします。
モバイルスタンプラリー運営会社
mobile スタンプラリー
業界でNo.1とサイトで明記しているのでそうなんだと思います。滋賀県に本社をおく、Webシステムやアプリ開発を手掛けるPKB SOLUTIONが運営会社です。
デジタルスタンプを読み込む方法
- QRコード
- GPS →これは以前、山のスタンプラリー「ヤマスタ」でご紹介
- 電子スタンプ
3つ目の電子スタンプが非常に面白いと思いました。直接スマートフォンに押印して、アナログなスタンプと同じような感覚でスタンプを取得する仕組みです。
体験していないので何とも言えないのですが、ハンコを押したときのペタっという感覚まで味わえるかは分かりません。
ARやVRといったデジタルの技術により五感を刺激してくれるものが溢れているために、一番刺激されるのはアナログな旧式なものだったりしますが・・・
またその他の方法で、この会社が制作したアプリを使用すると以下の方法があります。
- 電子透かしマーク
- 近距離無線通信(iBEACON)
- 音声認識
- AR(aug!)
- AR(Pictu AR)
- ホログラム(WOW code)
ARに関しては以前、「京阪×「響け!ユーフォニアム」スタンプラリー2」この記事でご紹介しました。
スタンプを取得する方法は、QRコードや画像を読み込む、声を読み込む音声認識など、参加者が何かをすることによって得られるタイプと、何もしないで得られるGPSや無線通信の主に2つに分けられると思います。
メリット、デメリットが一覧になっていて、すごく分かりやすいので、サイトを見ていただきたいのですが、メリットだけでデメリットがないものがなく、必ずどちらもあることが分かります。
費用についてはお問い合わせしていただくのが一番ですが、目安は35万円~となってました。
このサイトを見ていて、私がはっとしたのは、従来、景品はモノだけだったところが、画像や動画といったデジタル媒体が賞品にもなり、コミックやアニメ、ゲームのスタンプラリーの場合、モノよりも喜ばれることもあるように思いました。
stanlly(スタンリー)
モバイルスタンプラリーを作るためのシステムです。
デザインが出来る人がいることが前提です。イラスト含む画像を用意できることだけでなく、HTMLやCSSなどのWebサイトを制作する知識が少しないと出来ません。
スタンプの取得方法:
- QRコード
- QRコード+GPS式
- 電子スタンプ式(2017年2月11日時点では準備中)
ツールだけなので、使用料は先に紹介した「mobileスタンプラリー」よりもお安く1ヶ月12万円(スタンプの取得方法により追加料金や、オプションは追加料金が発生します)
運営会社は最初にご紹介したPKB SOLUTIONです。
カスタムメイドのモバイルスタンプラリーとシステムだけを提供する2パターンで運営してるのは、現段階ではこの会社だけのようです。
Rally(ラリー)
上記と同じでモバイルスタンプラリーを作るシステムを提供しています。
デザイン変更が誰でもできることが特徴です。
スタンプの取得方法:
- QRコード
- GPS式
プランが0円と99,800円(税別)の2つしかないので、分かりやすく、費用が限られている場合は候補としてご検討されるのもいいかもしれません。
実績で紹介されているモバイルスタンプラリーをみても、関西が多いような気がしました。運営会社を見ると神戸市でアプリケーション開発をしているFaithCreates.incという会社です。
Rallyアプリは「ひょうごクリエイティブビジネスグランプリ 2017」にて兵庫県知事賞を受賞したそうです。
シャチハタ iStamp
印鑑のシャチハタが提供するデジタルスタンプラリーのアプリです。
スタンプの取得方法:
- QRコード
- GPS式
英語表示の対応可能なことが明記されているのが特徴です。1日パックの利用料は110,000円(税別)なので、これまでにご紹介したなかでは、高めかもしれません。
ARサービス COCOAR ココアル
ARのアプリを開発している会社ですが、先月、GPSとスタンプラリーの機能を搭載させたproというバージョンをリリースしたそうです。
すでにご紹介した3つと比較できるような詳細が掲載されていないため、サイトをよく読んでいただくのが一番だと思います。
モバイルスタンプラリーについて、今までご紹介してきたのですが、調べたことが私の知らないことばかりで、大変面白かったです。
モバイルスタンプラリーはアナログなスタンプラリーよりも費用がかからないと書きましたが、アナログなスタンプラリーがどのくらいかかるのか?全く想像がつかないので、シミュレーションをしてみようと思いました。
アナログスタンプラリーの見積もりシミュレーション
参考にしたのは、2月28日まで開催している東京メトロ「東京タラレバ娘スタンプラリー」です。リーフレットはどのくらい必要なのか?全く想像もつきません。
参加賞が5000名なので最低5000枚、それ以上に必要なことは分かっても、具体的な数字は分からないので、5000枚で計算してみました。
台紙5000枚 51,310円
タイプ: サイズ:A3以内(表裏印刷) 用紙:マットコート110kg(分からないので中間の厚さを選択) 全体のサイズ:420×257mm 折ったとき:105×257mm |
参考にしたのはKINGプリンターです。
他のオンラインの印刷会社も見てみたのですが、難しくて理解出来ず、一番分かりやすかったのがKINGプリンターでした。
―参考―
5000枚 | 51,310円 |
6,000枚 | 58,450円 |
7,000枚 | 65,000円 |
8,000枚 | 70,960円 |
9,000枚 | 76,440円 |
10,000枚 | 81,330円 |
スタンプ6個 24,000円
浸透印(インク内蔵型)ではない台木のついたスタンプ 4,000円×6個 (大きさや持ち手の材質いより前後すると思いますが、参考になりそうなショップが見つけられず、楽天でスタンプラリー用のスタンプで検索してでてきたもの参考) |
スタンプ台6個 6,000円
スタンプが入るくらいのサイズ 1,000円×6個 (アマゾンで見たところの相場) |
5,000人が参加するスタンプラリーの場合 81,310円
チラシ=スタンプ台紙で大丈夫そうですが、これにポスターと景品が必要そうです。
モバイルスタンプラリーでも必要なので、価格を比べるとしたらここまでだと思います。
モバイルスタンプラリーの方がコストがかからないと書きましたが、小規模なスタンプラリーの場合、アナログなスタンプラリーの方が、断然お安いということが分かりました!
小規模、例えば商店街のイベント、幼稚園や小学校などで開催する場合は手作りすることも出来ますし、費用を抑える方法は色々あるように思います。
もし、私がスタンプラリーの台紙を作ることになったら、何かを参考にしたいなと思いました。「スタンプラリー 台紙」で検索してみても、全部違います。
A4のチラシだったり、冊子だったり、リーフレット型だったりします。スタンプラリーにはフォーマットのようなものがありません。
当たり前のことかもしれませんが、スタンプの個数でも変わりますし、応募ハガキが必要な場合は含めなければなりません。
オンラインの印刷会社でも、色々なテンプレート=フォーマットは用意されていますが、スタンプラリーのテンプレートというものが存在しない理由が分かった気がします。
「スタンプラリー 台紙 作成」で検索しても、ポイントカード(スタンプカード)の情報はでてきても、スタンプラリーを開催するための費用がどのくらいなのかという具体的なことは出てきません。
スタンプラリーにかかった費用などをだしてしまうと、参加された方がご覧になられたらドン引きしてしまうかもしれないし、あまりいい気持ちはしませんよね…
当サイトはあくまでもシュミレーションなので!
スタンプ台紙のデザインだけが紹介されている本は需要がありそうです。スタンプラリーの台紙が入手出来たときは、画像プラス詳細を当サイトでご紹介するようにします。
まとめ
観光客に来てもらいけれど、観光する場所がないと嘆く地域は、是非、スタンプラリーを取り入れてみてはいかがでしょうか?
野菜直売所とか無人販売所は、日本らしさだったりします。そういうところに惹かれる人は多いと思います。四国のお遍路をする外国人旅行者が増えているように、買い物目的で日本に来る人ばかりではありません。地方にこそ、観光の宝が沢山隠れている可能性大です!
スタンプラリーで何が出来る?と思われる方も多いかもしれませんが、スタンプは集めたいという収集欲求を刺激するので、おそらく日本人だけでなく、世界中の誰にもあると思います。
以前にご紹介した「ハンコ大好きフランス人モデルのハンコ王子」のロマ氏も、日本に来日した際に、ハンコの魅力にはまり集めたり、今ではハンコ王子として製品をプロデゥースしたりするくらいです。
スタンプラリーは日本独自の文化ですが、それを是非、観光促進のための起爆剤にしていただけたらいいなと個人的に願っています。