日本橋スーパー浮世絵江戸の秘密展の感想とスマホアートラリー

アートスマホラリー スタンプラリー

こんばんは。

先日ご紹介した「スーパー浮世絵 江戸の秘密展」と同時開催されている「食神様の不思議なレストラン展」に行ってきました。

ボストン美術館蔵スーパー浮世絵+東京メトロスタンプラリー
こんにちは。 美術館は好きですか? 私は好きです。一か月に一度くらいですが、気になっている展覧会に行きます。 先月は「マリメッコ展」、12月は上野の森美術館で開催された「デトロイト美術館展」に行きました。 この「デトロイト美術館展」が従来の...

展示会の感想と会場に着くまでの間に関連する東京メトロのスマホラリー体験をしたので、その話は後半にします。

展覧会の感想よりも、ちょっと関係のない内容も入っていますが、私が知っている範囲での昨今の江戸絵画についてのお話です。

 

会場は使われなくなったビルを利用しており、通りに面して大きなポスターがでているだけで、入口が少し分かりにくいです。ご年配の方もそのようにお話していた方がいました。

スーパー浮世絵

デジタルアート=映像なので、すべての会場が暗いです。エレベーターで9階まで上がり、階段で上から下に降りていくような構成になっています。

足の不自由な方、車椅子の方はおそらくエレベーターを使えるのではないかと思いますが、事前にご確認いただいた方がいいように思います。

まず「スーパー浮世絵 江戸の秘密」展についての感想です。

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スーパー浮世絵 江戸の秘密展

「江戸の秘密展」というタイトルに惹かれたのに、それほどの秘密はなく一般的に知られていることばかりです。

内容は、文化、お化け・妖怪、江戸湾、娯楽の4つに分けられます。

スーパー浮世絵

本来、動かないはずの浮世絵が、動いている面白さはあるのですが、想像できる範囲の動きなので、見ていて若干飽きてしまいます。

また「べらぼうにエモい」のナレーションが何度もでてくるのですが、エモいの使い方がどうもしっくりこないので、違和感を感じます。

一番面白かった「江戸湾」は展示のなかでずっとそこにいたいくらいくらいで、もう一度見たいです。

スーパー浮世絵

展示はすべて写真撮影可能です。インスタのハッシュが明記されていたので、ブログ・SNSへの投稿も可能です。

江戸絵画以前の琳派・狩野派

近年、外国からの評価を受けて、江戸絵画を見直す動きが強くなっています。

その結果、この数年の間に「伊藤若冲」「葛飾北斎」「国芳&国貞」などの展覧会や、歌川国芳の浮世絵にスカイツリーのようなものがある!未来予想図のようだと話題になったりしました。

昨年の11月にはすみだ北斎美術館が完成したり、江戸ブームはしばらく続くと思います。

上流階級の特権の一つであった装飾品を持ったり愛でる文化からうまれた琳派や狩野派と異なり、庶民に親しまれた娯楽からうまれたのが浮世絵、江戸絵画の特徴と言えます。

一昨年の2015年は、尾形光琳没後300年として琳派年と呼ばれ、全国で関連する展覧会が非常に多かったです。さらにその年は、日本絵画における歴史的な年になりました。

「春画」の展覧会は日本のアート史上初

ご存知の方も多いと思いますが、「春画」の展覧会がありました。

18歳未満の入館が出来ず、会場の入口で、身分証明書の提示を求められるなど、今までにない展覧会でした。

出版業界では、昔から春画の出版について規制がかかり、その度に問題にはなっても、出版された本がすぐに売り切れてしまうくらい隠れたファンは多かったわけです。

昨今の青年誌の方が多分スゴイと思いますが、出版するにあたっては規制されることはない、コンビニなどでビニールをかけるなどの対応した市に対し、出版業界が「表現の自由に抵触する」と反発していますが、春画の出版統制の長年の歴史を考えたら、まだ浅いものです。

春画というと男性がこっそり見るようなイメージかもしれませんが、研究している女性は、国内外に多くいらっしゃいます。

この展覧会によって、日本の春画に対する後ろめたさ…?恥ずかしいもの、見てはいけないもの、というものは、徐々に変わってきているように思います。

ですが、それは日本から起きたことではなく、前の年の2014年、大英博物で大規模な「春画展」が開催され、外国から評価を受けたことがきっかけとなっています。

入場者の半数以上は女性、特に若い女性が多かったのは、これまでの展示と全く異なるということでした。

日本では目黒区の永青文庫と京都の細見美術館で開催されました。「春画」単体での展覧会をするなどタブーとされてきたので、引き受ける美術館がなく困っていたところ、永青文庫の理事であられる元首相の細川氏が名乗りをあげ、開催が決まったそうです。

従来の展覧会はスポンサーがつきますが、「春画展」についてはスポンサーがつかず、クラウドファンディングで、一般人から資金を募るなどこれも異例です

会場で販売された図録には、

18歳未満の方の目に触れませんよう、本書のお取り扱いには十分ご配慮をお願いします」と急きょ追加されたような紙切れが挟まっていたのは、当局からの注意によるものならしいです。

青年誌にはそういった紙切れは挟まっていませんよね?

こっそり見ないといけないもの?を見たくなるのは女性も!

私はもちろん見に行きました!はじめのほうに行ったので、大変混雑していました。年齢層は幅広くいらっしゃるのですが、若い女性の割合が多かったように思います。

ガラスケースにぴったりと人が張り付いて見ているような状態で、列に並んでのんびり見るのは諦め、見たいところを見るだけで必死でした。

関節がおかしな方向に向いているアクロバットな体や表現のスゴさももちろんあるのですが、彩色の美しさ、雲母を使ったキラ刷り、細かい絵柄のエンボス(凹凸印刷)など、江戸時代の印刷技術が非常に高度であったことなどがよく分かりました。

浮世絵・肉筆、どちらもあるのですが、美人画や大首絵、景色といったよく見かける江戸絵画とは異なり、ものすごく大きなものから、豆本のような小さなものまでの展開の幅広さを感じました。

 

話が大幅にずれているので元に戻すと、今回の展覧会は浮世絵、江戸絵画の見せ方に一石を投じるものだと思います。私が疎くて、これまでもこのような展覧会があったらごめんなさい。

疎いことは悪いことばかりではない

展覧会は作品を所蔵している美術館から借りてきて展示する従来の展示ではなく、今回は本物の展示が一切ありません。

ボストン美術館所蔵の「スポルティングコレクション」をスキャンしデジタル技術によってつくられています。ボストン美術館は、世界で最高品質と言われる「スポルティングコレクション」を新しい方法で公開することを決め、NHKと共同にコレクションをデジタル化しました。

日本では15年間という限定で二次使用権を獲得し、こういったデジタルアートの展覧会で貴重なコレクションを見る機会を得られているというわけです。

これまでにもボストン美術館所蔵の浮世絵展というのは開催されていて、有名なのは、5万点以上をコレクションしていたウィリアム・スタージス・ピゲロー氏です。

私が浮世絵に興味をもったのも、2008年に江戸東京博物館で開催された「ボストン美術館浮世絵展」を見たことがきっかけです。(興味をもつといっても、作品タイトルや絵を見てすぐに作者名が言えるというレベルではなく、なんとなく好きというくらいです)

開国して間もない日本に来日した彼らは、日本の文化に興味を示し感銘を受け、集めた浮世絵に関して、どういったものかちゃんと理解していたように思います。寄贈する際に、非常に繊細なので扱いに注意すること、一切の公開展示を禁止しています。

このため、退色することもなくムシやカビの害にも逃れ、奇跡的に状態が良く保管されていました。コレクションは門外不出になっており、その存在が知られていなかったために、およそ1世紀後に発見されたときは、美術館もびっくり、美術界は嬉しい悲鳴をあげたようです。

日本にそのままあったら、戦争で焼けてしまって残らなかったと思います。ちゃんと保管されていたために、その当時のままの浮世絵を私たちが見ることが出来るのです。

自国の文化についての理解や知識に疎いのは、きっとどの国でも同じだと思いますが、疎かったために、質の良い浮世絵などが海外に渡ったことは、結果的に悪いことばかりではないように思いました。




食神さまの不思議なレストラン展

同時開催されていた「食神さまの不思議なレストラン展」が非常によかったです。

1階から徐々に上がっていく途中の階段で、出汁の香りがほんのりとして臭覚を刺激します。

インスタレーションという展示の仕方は、今はあまり珍しくはないと思いますが、人の動きに反応して変わっていく映像は、見るだけでなく、全身で体感ができます。見て、聞いて、触って、嗅いで、食べる、五感すべてを使って展示を見る、そういった展示を体験したことが私はこれまでになかったので新鮮で楽しかったです。

食べ神さま

私が何をやっていても、会場に人がいないので人の目を気にすることもなく、脇の下が筋肉痛になるくらい手をバタバタと動かしました。(原因は他にもあると思いますが…)

食べ神さま

お米の展示。巨大な器に入った本当のお米に映し出している

4階に食べ物からお酒まで飲める飲食コーナーがあるのですが、そこで提供しているお料理は、とても本格的です。

食べ神さま

食べ神さま

「味噌と出汁の相性を考える3種の味噌汁」ネーミングが素敵でしょ?

疲れたので座っていただきたいと思うところもありますが、食をテーマにした展覧会として、本格的な味の食を提供する、それこそ「粋」を感じました。

展覧会の情報

スーパー浮世絵 江戸の秘密展 食神さまの不思議なレストラン展

2017年1月28日~5月21日

会場:日本橋茅場町特設会場

東京都中央区日本橋茅場町1-8-1茅場町1丁目平和ビル

アクセス:東西線・日比谷線「茅場町」駅 6番出口からを直進。ドコモショップが目印。

大人(高校生以上)¥1,600 子ども(3歳以上~中学生以下)¥1,000

「江戸の秘密展」×「食神さまの不思議なレストラン展」セット券神様のおいなり付 ¥3,400

スーパー浮世絵 江戸の秘密展 https://superukiyoe.com/

食神さまの不思議なレストラン展 https://tabegamisama.com/

この展覧会のまとめ

実物ではないデジタルアートとしては若干お高い入場料のように思う方もいらっしゃるかもしれません。ですが、体験できる展示としては素晴らしいです。

土日は混雑しているのかもしれませんが、私が行った平日はガラガラなのがとても勿体ないです。もしこの記事をお読みになった方で、行きたいと思っていただけたら、5月21日まで開催されているので、是非行ってみてください。

そしてこれに関連したスマホアートラリーは3月28日まで開催されています。




東京メトロスマホアートラリー

スタンプが設置されているのではなく、駅の掲示板に貼られているポスターです。改札の外には矢印があるのですが、ホームに表示がなく迷うので追記します。

スマホアートラリー

  • 日本橋駅…B0出口付近
  • 飯田橋駅…B3とB4b他出口の真ん中
  • 清澄白河…B1出口付近
  • 東池袋…事務室付近
  • 本駒込…駅事務室付近
  • 赤坂…乃木坂方面改札付近

上記のところに掲示板があり、そこに貼ってあるポスターに書いてあるお題に合うイラストをポスターの中から見つけ、アプリから起動したカメラをイラストにかざすと、デジタルスタンプが取得できます。

スマホアートラリー

 

私は東京メトロ一日乗車券(24時間券)を購入し、(有楽町線)東池袋、飯田橋、(東西線)日本橋に行き3駅のスタンプを取得し茅場町の会場に行きましたが、美術館に着くまでに45分くらい余裕をもってでればできる、簡単なスタンプラリーです。

 

通信やシステムが不調であったようで、日本橋の駅のポスターの画像を読み込んでも、反映されないというちょっとしたアクシデントがありました。駅員さんに聞いても「???」ですが、それは仕方ないことです!

スマホスタンプラリーでは、スマホやガラケーの読み込みに何らかのトラブルが生じることは絶対にでてくると思いました。

モバイルスタンプラリーの主催者は、不具合を修正することは出来ないので、アプリを開発した運営会社の対応待ちになると思いますが、すぐに対応できることばかりではありません。そういったときに、柔軟な対応が求められると思います。

また参加者も、アプリが正常に動かないなど問題が生じた場合、スマホのカメラでポスターなどを撮影すること、スマホ画面のキャプチャーをとっておくといいです。

東京メトロスマホアートラリー

東京メトロスマホアートラリー

東京メトロスマホアートラリー

 

スマホアートラリー

 

それを見せて、ちゃんと説明したら理解して下さったので、賞品のクリアファイルをもらえました。

スマホアートラリー情報

App StoreまたはGoogle Playの検索で「メディアトリガーplus」と入力して、スマホアプリをダウンロードしてださい。

アートスマートラリーの詳細

ボストン美術館蔵スーパー浮世絵+東京メトロスタンプラリー
こんにちは。 美術館は好きですか? 私は好きです。一か月に一度くらいですが、気になっている展覧会に行きます。 先月は「マリメッコ展」、12月は上野の森美術館で開催された「デトロイト美術館展」に行きました。 この「デトロイト美術館展」が従来の...

 

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